2005年 10月 15日
中国でM&A |
昨日、日帰りで上海でした。
とある買収案件で、弁護士との打ち合わせ。香港-上海なんて言ってみればDomestic Flightなわけですが、片道2時間30分。Pudong空港から市内は、また1時間ぐらいかかるので日帰りとなると、本当に打ち合わせをしてとんぼ返りです。
これから本番なので、実は中国の法制度とかあまり良くわからないんですが、世の中で言われてることやら、多少の経験、本の受け売りをすると、中国投資ってこんな感じです(かなりprimitiveな業界に身を置いてることから欧米的思想が浸透している先進的な業界とはだいぶ異なる可能性もあるけど)。
①やるなら外資単独でやったほうがよさそう。
董事会ってのが、株主総会と取締役会を兼ねた機関で、ここで全てが決まる。日常業務を行うOfficerとの兼務も勿論可能。重要事項については、unanimousなので、合弁事業は、相当大変。というのもJVAに如何に規定してもこれが守られる可能性は?守られないからといって法廷に持ち込んでも、その実効性も? WTO加盟後、ほぼ全ての業種で外資100%が法制上は認められたので、事業パートナーの存在は必要にしても、資本は100%、董事も100%とってしまったほうがよさそう。
因みに各種ライセンスの問題も、WTO加盟により約束した開放スケジュールに従い、一応は進んでいるようで、人気のある業種なんかでは中央政府の担当局の人手不足で時間がかかるといった実務的な問題はおきているものの、まぁ徐々に前に進んでいるみたい。とはいっても、数ヶ月は、また無いといけない感じではあります。
②Exitは、出来ないかも。(有限責任って難しい)
董事会で会社解散の決議が通りました。それでもExitは、有限責任の範囲では行かないかもしれません。中国は、許認可主義。辞めるのも当局の許認可が必要になります。加えて、そもそも破産法が整備されていません。つまり当局が、『いやいや、●×有限公司がまだ債権残あるっていってるから、最後までちゃんと片付けて来てよ。解散とかはそれから。また来てね。』
Exitにも当局に対する人脈が必要になりそうです(上海等の都市部の市行政は相当改善されているようですが、地方へ行くと、まだまだコネクションが全てのようです)。
③Tax Tax Tax
色んな税制が複雑だし、徴税主体が違う制度が絡み合うから中央と地方がそれぞれの都合が良いように解釈して課税してくる。大体、制度自体がわかりづらい上に、その制度に則って払っていないのだから、全く判らない。
既存会社の買収を考える場合、まず確実に彼らは正しい税金を納めていない。聞くと、『市の税務局がOKだといってるから大丈夫。納税額?そんなものは毎年のネゴ次第さ。』そんな会社を買おうなんてことになるわけです。ただ、Competitorもそんな状態ですから、自分のところだけまともに税金を払う前提で事業なんかやろうものなら、おそらく競争力は失うでしょうね。
④身の安全の確保
空港からPudongの弁護士事務所まで2時間かかりました。通常1時間程度のところを。高速を途中で降りたあたりから、なんかおかしいなぁなんて思ってたんですけどね。何せ言葉がしゃべれない。文句言っても、何言ってるかさっぱり判らん。大体、俺は今どこに居るんだろう?ってなわけで、とりあえず携帯で待ち合わせ場所のShangri-laに電話。コンシェルジュに、『空港では、大体RMB140ぐらいといわれたんだが、既にその金額を過ぎてる。しかも高いビルが全然見えない。』と伝え、運転手と携帯越しで交渉してもらうことに。めちゃくちゃでかい声で騒いでるが、流石に香港でなれたのでそんなもんだろうってぐらいの気分。コンシェルジュに代わると、『ホテルまでとりあえずこれるだろうから、降りたら金は払わなくて良いよ。ドアマンに話て交渉してもらいなさい。』だって。結局メーターは、220ぐらい言ってたけど、予定通りの130でDeal。でも、大事なMTGに大遅刻で、本当は一銭も払いたくなかった。
で、実は、道すがらもっとえらいことになってたんだけど、何かって言うと、実は事故りました。バカ運転手、遠回りした上、事故るは、無意味な渋滞に巻き込まれるは、はっきり言って、マジで後ろから頭ひっぱたいてやろうかと思いましたね。
風景が若干おかしいなと思ったところで、一度、香港のアシスタントに電話を入れといたんです。『なんか様子がおかしい。見たことの無いところに居る。暫く、変化がなければまた電話するから、スタンバット居て。。。。って、おいおい、トラックに突っ込んだよ、今。。またかけ直すわ。。』
左前方を走っていた長ーいトラックが急に右の脇道に入ろうとして、その横っ腹にわがアホタクシーはつっこんだ訳です。幸い、大した事故ではなかったですが、しっかりとごっつんこしてましたね、左前方を。しかし、驚いちゃうのは、そのあとの処理。何もなしでした。そのまんま、タクシーはバックして、トラックをわき目にしらーっと。トラックも予定通り、無茶な右折を敢行してました。 互いに、なーんの会話もなく。 俺はこの国があまり好きではありません。
というわけで、身の安全の確保には万全を期しましょう。ストラクチャーだのファイナンスだの言ってる場合ではありませんから。
ナマ感、出てますかね?こんな話題は。
とある買収案件で、弁護士との打ち合わせ。香港-上海なんて言ってみればDomestic Flightなわけですが、片道2時間30分。Pudong空港から市内は、また1時間ぐらいかかるので日帰りとなると、本当に打ち合わせをしてとんぼ返りです。
これから本番なので、実は中国の法制度とかあまり良くわからないんですが、世の中で言われてることやら、多少の経験、本の受け売りをすると、中国投資ってこんな感じです(かなりprimitiveな業界に身を置いてることから欧米的思想が浸透している先進的な業界とはだいぶ異なる可能性もあるけど)。
①やるなら外資単独でやったほうがよさそう。
董事会ってのが、株主総会と取締役会を兼ねた機関で、ここで全てが決まる。日常業務を行うOfficerとの兼務も勿論可能。重要事項については、unanimousなので、合弁事業は、相当大変。というのもJVAに如何に規定してもこれが守られる可能性は?守られないからといって法廷に持ち込んでも、その実効性も? WTO加盟後、ほぼ全ての業種で外資100%が法制上は認められたので、事業パートナーの存在は必要にしても、資本は100%、董事も100%とってしまったほうがよさそう。
因みに各種ライセンスの問題も、WTO加盟により約束した開放スケジュールに従い、一応は進んでいるようで、人気のある業種なんかでは中央政府の担当局の人手不足で時間がかかるといった実務的な問題はおきているものの、まぁ徐々に前に進んでいるみたい。とはいっても、数ヶ月は、また無いといけない感じではあります。
②Exitは、出来ないかも。(有限責任って難しい)
董事会で会社解散の決議が通りました。それでもExitは、有限責任の範囲では行かないかもしれません。中国は、許認可主義。辞めるのも当局の許認可が必要になります。加えて、そもそも破産法が整備されていません。つまり当局が、『いやいや、●×有限公司がまだ債権残あるっていってるから、最後までちゃんと片付けて来てよ。解散とかはそれから。また来てね。』
Exitにも当局に対する人脈が必要になりそうです(上海等の都市部の市行政は相当改善されているようですが、地方へ行くと、まだまだコネクションが全てのようです)。
③Tax Tax Tax
色んな税制が複雑だし、徴税主体が違う制度が絡み合うから中央と地方がそれぞれの都合が良いように解釈して課税してくる。大体、制度自体がわかりづらい上に、その制度に則って払っていないのだから、全く判らない。
既存会社の買収を考える場合、まず確実に彼らは正しい税金を納めていない。聞くと、『市の税務局がOKだといってるから大丈夫。納税額?そんなものは毎年のネゴ次第さ。』そんな会社を買おうなんてことになるわけです。ただ、Competitorもそんな状態ですから、自分のところだけまともに税金を払う前提で事業なんかやろうものなら、おそらく競争力は失うでしょうね。
④身の安全の確保
空港からPudongの弁護士事務所まで2時間かかりました。通常1時間程度のところを。高速を途中で降りたあたりから、なんかおかしいなぁなんて思ってたんですけどね。何せ言葉がしゃべれない。文句言っても、何言ってるかさっぱり判らん。大体、俺は今どこに居るんだろう?ってなわけで、とりあえず携帯で待ち合わせ場所のShangri-laに電話。コンシェルジュに、『空港では、大体RMB140ぐらいといわれたんだが、既にその金額を過ぎてる。しかも高いビルが全然見えない。』と伝え、運転手と携帯越しで交渉してもらうことに。めちゃくちゃでかい声で騒いでるが、流石に香港でなれたのでそんなもんだろうってぐらいの気分。コンシェルジュに代わると、『ホテルまでとりあえずこれるだろうから、降りたら金は払わなくて良いよ。ドアマンに話て交渉してもらいなさい。』だって。結局メーターは、220ぐらい言ってたけど、予定通りの130でDeal。でも、大事なMTGに大遅刻で、本当は一銭も払いたくなかった。
で、実は、道すがらもっとえらいことになってたんだけど、何かって言うと、実は事故りました。バカ運転手、遠回りした上、事故るは、無意味な渋滞に巻き込まれるは、はっきり言って、マジで後ろから頭ひっぱたいてやろうかと思いましたね。
風景が若干おかしいなと思ったところで、一度、香港のアシスタントに電話を入れといたんです。『なんか様子がおかしい。見たことの無いところに居る。暫く、変化がなければまた電話するから、スタンバット居て。。。。って、おいおい、トラックに突っ込んだよ、今。。またかけ直すわ。。』
左前方を走っていた長ーいトラックが急に右の脇道に入ろうとして、その横っ腹にわがアホタクシーはつっこんだ訳です。幸い、大した事故ではなかったですが、しっかりとごっつんこしてましたね、左前方を。しかし、驚いちゃうのは、そのあとの処理。何もなしでした。そのまんま、タクシーはバックして、トラックをわき目にしらーっと。トラックも予定通り、無茶な右折を敢行してました。 互いに、なーんの会話もなく。 俺はこの国があまり好きではありません。
というわけで、身の安全の確保には万全を期しましょう。ストラクチャーだのファイナンスだの言ってる場合ではありませんから。
ナマ感、出てますかね?こんな話題は。
by Tomoya_Yasuda
| 2005-10-15 10:45
| 中国って