2005年 07月 31日
シリーズ 『従業員が直ぐ辞める in 香港』 |
『Yasuda-san, do you have time?』、
『Sure!!』。
直ぐにぴんと来ました。何しろ、今の会社、みんな仕事に対して受身ですから、自ら質問に繰るような輩ほとんど居ない。まして、時は金曜日の19時前。左手には、白い封筒。。。
でた、お前もか、って感じでした。会議室に入るなり、『Sorry, I resign.』。はいはいってな気分がまず第一。次に、客観的な自分が居て、初体験に比べて、俺もやたら冷静だな、慣れるってのは怖いことだな。第三に、ところで、引き止めようか、でも、パフォーマンスぼちぼちだしな。とはいっても、人手不足も甚だしいし、今直ぐは勘弁だな、。。。
というわけで、香港人また、辞めました。通称、”線香”(僕の中でだけだけど)と読んでいた彼女は、安定感を期待したのですが全く逆の結果になりました。子会社を含めると、これで通算4人目です、この3ヶ月で。在職期間はそれぞれ。
1人目 : 半年(彼女は事実上のクビ。)
2人目 : 1週間 (本ブログ”組織作りVo.1,2参照)
3人目 : 3日(同居する子会社にて)
4人目 : 3週間 (今回の”線香”)
香港の人、基本的に切り替え早いです。間違っても会社に対するロイヤリティとかないね。仕事が自分に何を与えてくれるか(お金がその際たる物ですが)、それが自分がそのポジションにおいて期待していたことか、それだけ。で、それに対する結論を出すのも異常に早い。
石の上にも3ヶ月、といってあげたい。
今回の退職理由は止むを得ないかなって思えるものでした、というのも、負担が重過ぎて応えられない、という理由だったからです。”線香”は、採用時から精神的なタフネスを感じるタイプではありませんでした。彼女を紹介してくれた”小池栄子崩れ”(弊社Staff)もその点を繰り返し注意してくれてましたから。ただ、兎に角、solidな知識さえ持ち合わせてくれていれば仕事は回る、と思っていたもんで、しかも”小池栄子崩れ”は、”線香”と前の会計事務所も一緒だったし、いざとなれば差さえあってなんだかんだやってくだろうと。”線香”の直前の期待の新人が1週間で辞めたことも手伝って、兎に角まず一人、という焦りも判断を誤らせたのかもしれません。
とはいえ、彼女に御願いしていた仕事は、言われてみれば精神的なタフネスが無い人間には確かに相当なストレスだったのかな、と今更反省。特に、会計士やら経理畑を専門としてきた人には馴染まない世界だったかもしれません。高いコミュニケーション能力と忍耐、あと、遊びが求められるポジションなんです。だって、フィリピーノ、チャイニーズ、コリアン、NZの人に、中近東、台湾人に日本人、みんなを相手に決まったスケジュールでしっかりとした資料を出させる、コントロールタワーとなってもらわなければいけなかったわけですから。彼女達には理解できないほど、物事の変化は激しく、スピードも速かったんだと思います。事業も急拡大してますからね。一方で、フィリピーノはあんな性格ですから、そうでなくてもちょこちょこと数字が変わり続けるし。基本的に適当な僕みたいな人間は、遊びの部分で何とかこなせるんですが、きっちりかっちりが心情のタイプには耐えられないでしょう。この手の仕事を、無理やりにチャレンジングな仕事だ、と前向きに整理出来るタイプもいれば、TOO MUCHと感じる人が居て当然、むしろ非常に理解できるところ、という印象だったわけです。っていうか、俺だってそんなに簡単に辞めても将来に何の心配も無い世界にもし身を置いてたら、あっさりとそれを選ぶさ、って言いたい。
んで、なんとなく感じているのは、給与水準と期待するJobが見合ってないのかな、って言う基本的なこと。solidな会計知識はマストなんですが、それ以上に経験と人間的なスキルが必要、ってことは、安くないわなぁそういう人採るためには。でも、budget厳しいしなぁぁぁぁ。。
先日お話したコンサルタントのおばちゃんも常々言うんですよね、
『香港で人を雇うというのは本当に難しいの。1.2年の単位で転職を繰り返すのが当たり前、数ヶ月なんてのもざらだし。長いビジョンで物事を捉える癖が無いのね。だから、採用後の教育なんてのも本当に難しい。30年間やったけど、正直言って良い人材を獲得する方法なんてLuck以外には思い当たらないわね。』って。
参ったなぁって感じですよ。
いっそ、このブログで従業員募集広告でもだそっかな。。
”線香”消える。
by Tomoya_Yasuda
| 2005-07-31 02:11
| 経営すること